味噌汁はお肌に良いという論文

先日、近所のスーパーで「味噌汁はお肌に良い」というキャッチフレーズで特売をしているのに出くわした。
何を適当なことを、と売り場のポップをジロジロ見ていると、どうもきちんと研究があるようだ。

家に帰って調べてみると、どうやらこれのようである。
マルコメと東京工科大、味噌は皮膚角層のセラミド合成を増やし美肌作用を発揮

研究をおこなった先生のページを見てみると、内容はきちんと論文としてOA英文誌に発表されている。
Improvement in Skin Conditions by Consumption of Traditional Japanese Miso Soup and Its Mechanism

掲載雑誌は…Journal of Nutrition & Food Sciencesという雑誌のようだが、氏の業績一覧には「査読有り」と明記されているので、きちんとした査読付き雑誌なのだろう。

なお、氏は同雑誌に2017−2018年の間にもう2本論文を掲載しているようだ。
Zeng et al. 2017
Maeda 2018
これらの論文も高い完成度であったと見え、前者の論文なんて投稿して3日で受理されている。査読付き雑誌でこんなに迅速にアクセプトが出るなんてどんな素晴らしい出来だったのだろうか。碌に論文を出せないまま業界を去った僕のとしては、爪の垢を煎じて飲ませていただきたい気分である。

しかも、氏が2017−2018年に出している論文は上の3報だけではない。Cosmeticsという雑誌には14報も立て続けに掲載されている。
この間にこの雑誌に載った原著論文は88報であるので、実に掲載論文の15%程度が氏の研究室から出たことになる。まるで「雑誌ジャック」ではないか。なんとも素晴らしく生産性が高い研究室のようだ。


特定の食品や成分の効能を高らかに謳うのは少しうさんくささを感じるものであるが、やはり僕らにとっては根拠となる査読付き雑誌に掲載された引用文献が記されているととても心強い。

よし、お肌をきれいにするために安心して味噌汁を飲もう。