国は小保方さんを護るべきか?

この騒動で一番酷い意見を見つけました。

国は小保方晴子さんを護れ!

多くの研究者はこのブログ記事を黙殺するでしょうう。
言及に値しないほど酷いものだから。
しかし、賛同・同意する方々の多さに背筋が凍るものがあります。これは少しでも問題点を指摘しておかねばならないでしょう。

年度初めで新しい学生さん達の指導も立て込んでいるというのに、ぶつぶつ。

      • リンク先ブログより引用---

小保方晴子さんが、STAP細胞の実験に成功し、その細胞を完成させます。
そして彼女が、そのことを論文にします。
ネイチャーに、理研のスタッフとして論文を掲載する場合、理研内部でも当然のことながら、実験結果に関しての検証と確信を持ってでなければ、そもそもネイチャーに論文など掲載させません。

ではその論文に、小保方さんがSTAP細胞を作るための手段方法の全部を載せるかといえば、答えはNOです。
これはあたりまえのことで、細胞を生み出すいわば美味しい料理のレシピを全部公開すれば、あっという間に真似されて、権利も利権も全部盗られてしまうわけです。

      • 引用ここまで---

まず、論文に作成手段を再現可能なレベルで載せるのは論文の規約に明記されたルールです。もちろんNatureのガイドラインにも書かれています。

The Methods section should be written as concisely as possible but should contain all elements necessary to allow interpretation and replication of the results. (Nature formatting guide to authors より)

これを「あたりまえ」とか言ってしまっているあたり書き手のレベルが知れますね。
また、利権の件ですが、それに関しては特許を既に申請しているので成果が確かであれば既に利権は確保したも同然でしょう。論文(と他人の追試)は特許にお墨付きを与えるものでこそあれ、公開して損なことなどありません。
現に、再現性が取れないと疑惑が深まるような騒ぎになっていますしね。

      • リンク先ブログより引用---

一方、理研からすると、小保方晴子さんだけの技術では、理研の利権(だじゃれではありません)になりません。
難癖をつけて小保方さんを利権から放逐し、その実験結果と実験ノートを手に入れることができれば、STAP細胞に関する将来の利権は、すべて理研のものとなります。

      • 引用ここまで---

理研のスタッフである小保方さんが発表した論文ですので、小保方さんらの成果であると同時に理研の成果です。特許もまた然りです。
また、論文もその成果も(そして発表したことに対する責任も)小保方さん一人のものではなく、共著者全員のものです。
「実験ノート」を宝の地図かなんかだとお考えのようですが、実験ノートは実験の記録です。そのノートを手に入れても実験を再現できるような質のものではありません。むしろいつ何の実験を行い、どのような結果が出て、そのサンプルはどこにしまってありなんてラベルしてあるか、を記録したメモとしての性質が強いです。中には論文に書くレベルで詳細な実験方法をノートをつける几帳面な方もおられますがそんな几帳面な方なら、画像の取り違えを連発したりはしないでしょう。
また、実験ノートは個人のものであると同時に組織のものでもあります。また、自身が実験を行ったことを担保する証拠でもあります。提出を拒む合理的な理由はありません。

      • リンク先ブログより引用---

小保方晴子さんの問題が最初に報道されたとき、それからしばらくして、支那の学者がSTAP細胞の生成に成功したというニュースが流れました。
ところがいつの間にか、この報道はウヤムヤになり、結局は実験に成功していなかったようだ、ということになりました。

      • 引用ここまで---

ソースを半端にしか読まない、あるいは都合よくしか解釈できない書き手さんのようですね。確かに、「STAP細胞が出来た」という報道が流れましたが、それは日本の報道機関が香港の研究者の「STAPの再現ができない」という声明を誤報として「できた」と報道してしまったものにすぎません。後に香港の研究者自ら、「再現できていない」と改めて声明を出しています。
最後までソースをフォローしてから物を言ってほしいですね。


長いので一端切ります。


ああ。なんて不毛な時間と労力なんだ。